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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻12号

1999年12月発行

文献概要

臨床経験

高分化型骨肉腫との鑑別が困難だった肋骨類腱線維腫の1例

著者: 菊地克久1 石澤命仁1 森幹士1 茶野徳宏1 松本圭司1 福田眞輔1 岡部英俊2

所属機関: 1滋賀医科大学整形外科 2滋賀医科大学臨床検査医学科

ページ範囲:P.1539 - P.1542

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 抄録:症例は37歳女性.偶然単純X線で右第12肋骨に異常を発見された.診察上同部に異常は認められなかった.単純X線で比較的境界明瞭な骨融解像を認め,断層では骨皮質が軽度膨隆し一部菲薄化していた.MRIでは骨外病変はなく骨シンチグラムで中等度の集積を認めた.以上より,aggressiveな良性骨腫瘍を疑いsegmental resectionを施行した.組織学的には線維芽細胞様の紡錘形細胞と膠原線維が束状に配列し,概ねdesmoplastic fibromaに一致する所見だったが,微小な腫瘍による類骨形成を思わせる部位が病変中心部にあった.このため,intraosseous well-differentiated osteosarcoma(IOWDO)との鑑別診断が問題になった.Desmoplastic fibromaは稀な骨腫瘍で,肋骨原発の報告は非常に少ない.一方,IOWDOの約33%はdesmoid様の組織所見を示すとの報告があること,肋骨原発例の発生も稀ながら見られることから鑑別は非常に困難である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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