文献詳細
シンポジウム 日本における新しい人工膝関節の開発
文献概要
要旨:高屈曲型人工膝関節は同時に高い耐久性を備えていなければならない.本論文では,人工膝関節の易屈曲性と耐久性に及ぼすデザインの影響に関して,単純な力学モデルを用いた考察と実験データから論じる.
易屈曲性のためには膝屈曲中心の後方への移動が必要であるが,同時に屈曲の抵抗となり得る前方要素の張力の低減がはかられていなければならない.屈曲モーメントアームの減少は易屈曲性を増加させるが,伸展筋力低下の影響を最小におさえるためには大腿骨コンポーネントの前後幅とパテラグルーブの深さの最適化設計が必要である.高屈曲時には膝周囲の靱帯よりも筋肉,脂肪,皮膚等の影響が大きくなる.また,ポリエチレン上での摺動軌跡が単純な往復運動になるような工夫も耐久性維持のためには重要である.
易屈曲性のためには膝屈曲中心の後方への移動が必要であるが,同時に屈曲の抵抗となり得る前方要素の張力の低減がはかられていなければならない.屈曲モーメントアームの減少は易屈曲性を増加させるが,伸展筋力低下の影響を最小におさえるためには大腿骨コンポーネントの前後幅とパテラグルーブの深さの最適化設計が必要である.高屈曲時には膝周囲の靱帯よりも筋肉,脂肪,皮膚等の影響が大きくなる.また,ポリエチレン上での摺動軌跡が単純な往復運動になるような工夫も耐久性維持のためには重要である.
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