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シンポジウム 日本における新しい人工膝関節の開発
文献概要
要旨:今日,老人,障害者のQOLの向上が命題であり,人工関節の可動域増加が求められる.膝関節の大腿・𦙾骨界面を二面に分離して屈曲機能を独立させることで,屈曲角度の大きい膝関節の開発をめざした.屈曲を目的とした副関節を後方中央に位置づけることにより,膝屈曲時の大腿骨のroll backに併せ下腿の回旋運動が得られる.プロトタイプを作成しその妥当性を生体で検定するために,実際の手術に際してモデル関節を挿入し,機能を検討して順次修正を加えた.完成した関節をBisurface knee(KU型)と名づけた.摺動面の材質はアルミナセラミック,高密度ポリエチレンの組み合わせである.345関節での成績は術前123.2°が術後131.8°に有意に改善し,術前屈曲が137°以下であれば術後の屈曲は術前に優る可能性が強い.術後約1カ月でほぼ正座が可能な症例は手術症例の17%であった.
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