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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻2号

1999年02月発行

文献概要

論述

頚椎後縦靱帯骨化症の骨化進展についてのX線学的検討―骨化進展に及ぼす手術の影響について

著者: 富田卓1 原田征行1 植山和正1 伊藤淳二1 新戸部泰輔1

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科

ページ範囲:P.167 - P.172

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 抄録:X線上の骨化陰影進展の有無を調査し,手術後の骨化進展が術後経過に及ぼす影響について検討を加えた.対象は,手術症例69例,保存症例41例の計110例である.頚椎単純X線側面像を用いて,骨化進展の有無を判定し,頚椎前弯度と頚椎椎間のalignmentを計測した.骨化形態の変化は術後33.3%に認められた.骨化進展の頻度は,椎弓切除例で有意に著明であった.椎弓切除例にて前弯減少,後弯変形が著しかった.X線学的検討より骨化進展の因子として,手術侵襲,術後の頚椎の構築性変化,それに伴う椎間板変性と椎間の動的ストレスを推察した.骨化進展部での椎間アライメント計測により局所の後弯増強傾向を認め,頚椎全体のみでなく局所的な張力の関与も重要な因子と考えられた.骨化進展の有無が術後成績に及ぼす影響については明らかな有意差が認められなかった.しかし,いずれの術式でも経過観察時での有効群の占める割合が増加していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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