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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻2号

1999年02月発行

文献概要

整形外科英語ア・ラ・カルト・74

整形外科分野で使われる用語・その37

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1那珂川病院

ページ範囲:P.202 - P.203

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●pain(ペイン)
 この疼痛を表す“pain”の語源(etymology-エティモロジィ)は,多くのギリシャ語とラテン語に起源をもつ言葉がそうであるように,ラテン語からフランス語に取り入れられ,のちに英語化している.この“pain”も,ギリシャ語の“penalty”(ペナルティー-罰)を意味する“poine”から,ラテン語の“poena”を経て,フランス語に取り入れられ,そして英語化した.
 フランス語を学ぶと,英語のスペルや意味が似ている場合が多いことに気がつく.以前からフランス語と英語には共通な言葉が多いと思っていたが,最近は共通語が非常に多いと思うようになっている.私の友人で英国人の言語学者に,“どのくらいの割合の英語の単語がフランス語に由来しているか?”と尋ねたことがある.彼は“約70%”と答えた.英語成立の歴史を調べてみると,フランスのノルマン人が1066年に英国を占領したとき,ノルマンディ公ウイリアムが,英国のウイリアムス一世に即位し,それ以後約200年間,英国の宮廷,貴族,法曹などの上流階級では,フランス語が唯一の言葉であったという.そして13世紀になり,有名なチョーサーによる最初の英語詩がやっと出現した.色々なことを表現するとき,英語にはない語彙の場合には,フランス語から借用されたものが多い.そして現在,英語単語の約7割がフランス語に由来している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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