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シンポジウム オステオポローシスの評価と治療方針
文献概要
要旨:内科における骨粗鬆症は,骨折や疼痛などの臨床症状がなく,骨量が減少し,骨折のリスクが高いものが多いことが特徴である.骨粗鬆症患者の骨量減少の進行を阻止し,将来の骨折を防ぐためには,続発性の疾患を除外,骨・カルシウム代謝を評価するため,骨代謝マーカーを含めた生化学検査により病態を把握することが重要である.さらに,個々の患者において,骨粗鬆症の危険因子,QOLの評価を行い,予防的基礎治療,本格的な薬物療法などから最も適した治療戦略を選択すべきである.治療においては,合併症,年齢,症状を考慮して,臨床医の経験に頼るだけでなく,過去の臨床成績に基づき治療薬の選択を行う努力が求められようとしている.他の代謝異常と同様な視点から,骨粗鬆症を骨代謝異常症として捉え,危険因子の除去や積極的な薬物療法などの介入による是正は,骨粗鬆症の進行,骨折の回避につながることとなる.
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