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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻3号

1999年03月発行

論述

HG型セメントレス人工股関節の中期成績―ステムの固着形式と安定性のX線学的検討

著者: 飯田哲1 篠原寛休1 藤塚光慶1 矢島敏晴1 丹野隆明1 品田良之1 早川徹1 神川康也2 原田義忠2

所属機関: 1松戸市立病院整形外科 2千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.309 - P.318

文献概要

 抄録:いわゆる第一世代セメントレス人工股関節である,Harris-Galante型ポーラスシステム31例36関節の,術後平均8年6カ月の中期成績を大腿骨側のX線学的評価を中心に検討した.大腿骨側,臼蓋側共にX線学的にルースニングをきたした症例はなかった.ステム周囲の内骨膜性骨新生の出現部位は近位型,中間位型,混合型および遠位型の4型に分類可能であり,骨新生の出現型式より大腿骨側における荷重の伝達様式が推察できた.近位型,中間位型および混合型の31関節はEngh分類ではbony stableに相当し,臨床的にも良好であったが,遠位型の4関節はthigh painと跛行の出現率が高く,X線学的にもステム周囲に強い骨萎縮を認める傾向にあり,ステムの安定性に若干の問題を有していた.術前股関節X線像で,atrophic typeに分類される症例は遠位固着型になりやすく,atrophic typeの症例に対するセメントレス人工股関節の適応は慎重であるべきと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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