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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻3号

1999年03月発行

論述

人工膝関節置換術における術後早期出血対策

著者: 大谷茂1 百名克文1 脇田重明1 良原公浩1 橋口淳一1 橋谷実1 三井敏文1

所属機関: 1市立岸和田市民病院整形外科

ページ範囲:P.319 - P.323

文献概要

 抄録:当科では1993年より人工膝関節置換術(TKA)に対して,非洗浄回収式自己血輸血法(以下非洗浄法)を用いて,同種血輸血の回避を試みてきた.1997年1月からはそれに加え,トラネキサム酸を投与することにより術後早期の出血対策としてきた.今回われわれは1995~1997年にOAとRAに対して施行したTKA(Revision含)の70症例93関節を対象とし,非洗浄法のみ使用した症例(n=46)とトラネキサム酸を併用した症例(n=47)について,術後出血と術後のHb値の推移を比較検討した.トラネキサム酸は術中駆血帯を解除直前と術後3時間に1gずつ点滴静注を行った.術後3,6,12時間,および最終の出血量を測定し,両群に有意な差を認めた.併用群では輸血症例はなく,非洗浄法のみ使用した症例では46関節中41関節に回収血輸血(平均312ml)を行った.術前Hb値と術後1,7,14日目のHb値の低下推移には両群に有意な差は認めなかった.トラネキサム酸の点滴静注は簡便な方法で有意な合併症もなく,術後早期の出血対策として有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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