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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)

転移性胸・腰椎腫瘍に対する椎体または脊椎全切除と脊柱再建術―A-W Glass Ceramic椎体スペーサーによる椎体置換

著者: 種市洋1 金田清志1 鐙邦芳1 楫野知道1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.445 - P.452

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 抄録:転移性胸・腰椎腫瘍43例に対するApatite-Wollastonite Glass Ceramics(A-W GC)椎体スペーサー応用の脊椎・椎体全切除/脊柱再建術の成績を分析した.腫瘍椎切除術式はIntracompartmental lesionの5例にはen bloc切除を,他の38例にはpiecemeal切除を施行した.術後生存率は6カ月:85%,1年:74%,2年:56%であった.疼痛改善率:91%,麻痺改善率:71%,ADL改善率:83%で81%は自宅退院後日常生活へ復帰できた.手術効果の持続期間が生存期間に占める割合は平均76.5%であった.局所再発率は28%で,術式別ではpiecemeal切除:26%,en bloc total vertebrectomy:20%であった,再建脊柱の安定性が全観察期間を通して維持されたのは全体の63%であった.A-W GC椎体スペーサーの安定化は,移植肋骨の骨癒合(74%),椎体スペーサー周囲の骨新生(19%),椎体スペーサー/椎体間癒合(7%)により得られていた.本法は長期予後が期待できる転移性脊椎腫瘍患者のQOL向上に対する有効な治療法といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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