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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)

骨粗鬆症性外傷後椎体圧潰の病態と診断

著者: 伊東学1 種市洋1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.463 - P.470

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 抄録:骨粗鬆症性外傷後椎体圧潰の報告は近年増加しているが,その病態は十分に解明されていない上,診断に苦慮する場合も少なくない.本研究では,術中摘出した圧潰椎体の組織学的所見から本疾患の病態について検討した.そして,鑑別診断として重要な転移性脊椎腫瘍との画像上の鑑別点を検討した.本疾患の病態は,骨粗鬆症による骨の脆弱性と骨形成能の低下を基盤とし,反復して骨折椎体が小さな外傷を受ける結果,骨折治癒過程が障害される.そして,椎体内が次第に壊死組織や結合組織で置換され椎体圧潰が進行する.転移性脊椎腫瘍との画像上の鑑別点は,intravertebral cleftの存在や,椎体中央部から前方部でのGdによる信号増強がないこと,椎弓根破壊や傍脊柱軟部腫瘤の頻度は少ないことであった.本疾患は,胸腰椎移行部のAnterior Load Sharingを破綻するため,手術治療では破綻した前方支柱再建が必須である.ステロイド性骨粗鬆症などで骨の脆弱性が著明な場合,前方および後方合併手術を行う必要性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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