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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)

胸椎角状後弯症に対する骨切り矯正術―後方単一アプローチ

著者: 川原範夫1 富田勝郎1 藤田拓也1 小林忠美1 吉田晃1 村上英樹1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.479 - P.487

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 抄録:胸椎角状後弯症に対して後方単一進入による骨切り矯正術を7例に行った.椎弓切除の後に,instrumentationを用いて一時的に脊柱の支持性を確保した.脊髄の全周除圧を行い,脊髄を直視下に捉えながら中枢,末梢側のロッドにレバーアームの力を加え脊柱の矯正を行った.前縦靱帯を回転中心としたclosing osteotomyを基本としたが,脊髄がたるみはじめた時点で回転中心を椎体の後方付近に切り換え前方のopening correctionを続けた.椎体間のギャップには骨移植を行った.後弯角は平均術前67°から術後18°に矯正されていた.術前脊髄麻痺を認めた4例では術後に著明な麻痺の改善を認めた.術後平均経過観察期間は3年であるが,全例骨癒合が得られていた.以上,限局した高度な後弯では,後方単一アプローチにより脊髄腹側の除圧および脊椎前柱の骨切りを行うことが可能であった.また,回転中心を,前方ついで後方,最終的には変形椎体の前方2/3の部分におく矯正操作により,脊髄に対して安全に,より生理的な脊椎矯正が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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