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特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)
透析患者における破壊性脊椎関節症の検討
著者: 竹内一裕1 原田良昭1 千田益生1 名越充1 井上一1
所属機関: 1岡山大学医学部整形外科教室
ページ範囲:P.497 - P.501
文献購入ページに移動頚椎破壊性脊椎関節症は36例(18.8%)で認められ,そのうち椎間板腔の狭小化,椎体終板の変化を認めたDSA初期17例,椎間板腔の消失および椎体の癒合,破壊を来しているDSA晩期19例であった.DSA晩期の中には,従来述べられている隣接椎間板の狭小化が全くない,一椎体のみの圧潰とも言うべき椎体型が6例認められた.そのほか胸椎1例,腰椎5例のDSAが認められており,腰椎DSAの3例に頚椎DSAの合併がみられた.
頚椎DSA群では,血液生化学的にはPTH,Alの高値とX線上,脊椎椎体や頭蓋骨,手指骨の骨量減少および二次性副甲状腺機能冗進の変化が認められた.
以上により,DSAは透析患者の全身にわたる特異な骨代謝状態を反映している可能性があるものと思われた
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