icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)

胸腔鏡視下に脊柱変形の前方矯正固定術を行うシステムの開発

著者: 江原宗平1 上村幹男1 立岩裕1 伊東秀博1 木下哲也1 湯澤洋平1 高橋淳1 高岡邦夫1 大塚訓喜2

所属機関: 1信州大学医学部整形外科 2長野県身体障害者リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.509 - P.516

文献購入ページに移動
 抄録:胸腔鏡視下に脊柱前方矯正固定術を一期的に完遂する新しい手術システムの開発を行ってきた.本システムでは側臥位とした豚の胸壁に挿入した数個のportを通じて手術操作を行う.初めに胸椎椎間板と肋骨頭の切除を行う.次にshaftに装着したscrewをportを通して各椎体へ挿入,体外へportより連絡しているshaftにoutriggerを装着し脊柱変形の作成と矯正を行う.矯正後,portより胸腔内へrodを挿入しscrew headと固定して手術を終了する.脊椎モデル並びに胸壁のついた豚屍体胸椎を用いてシステムの開発を行い,次に片肺換気の麻酔下の豚6匹に胸腔鏡視下に本システムを用いて4~5椎体に手術を行った.本システムを用いて椎間板の開大,縮小,即ち脊柱のalignment(Cobb角)を容易に変化させ得た.screwが脊柱管内へ侵入したものはなかった.また,rodのscrew headへの挿入固定もrod pulling device等を用いて行えた.このような胸腔鏡視下での手術システムを用いて,小手術創と小侵襲での脊柱変形の矯正固定を行うことが可能である.脊柱変形の進行が予測される症例には,早期にこのような手術を行い小手術で脊柱変形の進行を予防し得る可能性がある.現在,動物実験を重ねシステムの改良を行い,臨床応用への準備を進めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら