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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)

頚髄症保存療法例におけるMRI所見と治療成績との関連

著者: 松本守雄1 石川雅之1 千葉一裕1 市村正一1 鈴木信正1 藤村祥一1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.537 - P.542

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 抄録:保存療法を行った圧迫性頚髄症軽症例52名について,MRI所見と治療成績との関連を調査した.MRIにおける検討項目はT2強調像における髄内高輝度病変と脊髄面積であった.初診時JOAスコアは平均14.0,調査時14.4,獲得点数は0.4点であった.1点以上のJOAスコアの改善が得られたもの,あるいは調査時JOAスコアが15点以上のものは全体の69%であり,保存療法の成績は概ね良好であった.髄内高輝度は34例(65%)に認めたが,髄内高輝度の有無と治療成績との問には有意な関連を認めなかった.脊髄面積は全症例平均49.8mm2であったが,治療成績との間に有意な相関を認めなかった.初回撮像後,平均2年4カ月で撮像したfollow-up MRIでは18%で髄内高輝度の縮小を認め,それらの症例では全例で症状の改善が得られた.以上より,圧迫性脊髄症軽症例に対しては,髄内高輝度の有無あるいは脊髄面積にかかわらず,まず保存療法を試みてよいと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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