icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻4号

1999年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)

姿勢による椎間板内圧の変化―ヘルニアを伴う椎間板と健常椎間板との比較

著者: 佐藤勝彦1 菊地臣一1 米沢卓実2

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科 2大阪医科大学整形外科

ページ範囲:P.543 - P.548

文献購入ページに移動
 抄録:健常な椎間板(健常群8例)とヘルニアを有する椎間板(DH群5例)の内圧を測定し比較検討した.椎間板内圧を測定した高位はすべてL4/5椎間で,姿勢は,腹臥位,側臥位,立位,および坐位とした.立位と坐位では前後屈動作時の椎間板内圧を測定し,それと同時に腰椎側面単純X線撮影を行った.その画像上で内圧測定実施椎間の椎間角度を計測し,椎間板内圧と椎間角度の相関性について検討した.
 DH群の椎間板内圧は,健常群と比較して臥床時には明らかな低下を示したが,荷重時には健常群と同程度まで上昇した.しかし,どのような姿勢でもDH群の椎間板の内圧は,健常群よりも高くなることはなかった.
 立位と坐位では,前後屈運動に伴う椎間板内圧の変化は,直立位で最も内圧が低く,前屈位で最も高い値を示した.特に立位では,椎間板内圧と椎間角度は2次曲線が適合する有意な相関関係が認められた.この相関関係は健常群とDH群の両者において認められたが,DH群は健常群と比較してX軸上の左方変位が認められた.この事実は,同じ椎間角度であってもDH群の椎間板内圧は健常群よりも低いことを示し,荷重時における変性椎間板の内圧上昇機構の破綻を意味している.一方,坐位では,立位で認められたような椎間板内圧と椎問角度との問の有意な相関関係は認められず,坐位では椎問角度以外の他の要因も椎間板内圧に影響を与えていると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら