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特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)
姿勢による椎間板内圧の変化―ヘルニアを伴う椎間板と健常椎間板との比較
著者: 佐藤勝彦1 菊地臣一1 米沢卓実2
所属機関: 1福島県立医科大学整形外科 2大阪医科大学整形外科
ページ範囲:P.543 - P.548
文献購入ページに移動DH群の椎間板内圧は,健常群と比較して臥床時には明らかな低下を示したが,荷重時には健常群と同程度まで上昇した.しかし,どのような姿勢でもDH群の椎間板の内圧は,健常群よりも高くなることはなかった.
立位と坐位では,前後屈運動に伴う椎間板内圧の変化は,直立位で最も内圧が低く,前屈位で最も高い値を示した.特に立位では,椎間板内圧と椎間角度は2次曲線が適合する有意な相関関係が認められた.この相関関係は健常群とDH群の両者において認められたが,DH群は健常群と比較してX軸上の左方変位が認められた.この事実は,同じ椎間角度であってもDH群の椎間板内圧は健常群よりも低いことを示し,荷重時における変性椎間板の内圧上昇機構の破綻を意味している.一方,坐位では,立位で認められたような椎間板内圧と椎問角度との問の有意な相関関係は認められず,坐位では椎問角度以外の他の要因も椎間板内圧に影響を与えていると考えられる.
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