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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻5号

1999年05月発行

文献概要

手術手技シリーズ 最近の進歩 手の外科

腕神経叢損傷に対する手術―遊離筋肉移植術を中心に

著者: 土井一輝1

所属機関: 1小郡第一総合病院

ページ範囲:P.591 - P.601

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 手の外科領域の機能再建術において,最近の話題のひとつは腕神経叢損傷全型麻痺に対しても遊離筋肉移植術と神経交叉縫合術の応用により総合的な手指での物体把持機能再建が可能になったことである.筆者はdouble free-muscleと呼ばれるこの画期的な手術を開発した.本稿においては,double free-muscle法の長期成績より最新の手術方法,適応,問題点と注意点について言及した.Double free-muscle法とは,1)腕神経叢の手術的展開,電気生理学検査と可及的な神経修復,2)副神経再移行による第1回筋肉移植で肘屈曲と指伸展の再建,3)第5,6肋間神経再移行による第2回筋肉移植での指屈曲の再建,4)第3,4肋間神経移行による上腕三頭筋機能再建,5)鎖骨上神経から肋間神経知覚枝移行による手の知覚再建,6)2次再建として肩関節固定,腱剥離術,肘伸展再建術などからなる手術術式である.
 手術後2年以上経過例26例の長期成績で14例(53%)に肘屈曲90°以上,肘の動的安定性,指可動域30°以上の回復が得られ,ADL上,両手を使用せざるを得ない動作(重量物の挙上,ビンの蓋開けの際の保持など)に患者は再建手を使用している.満足すべき成績をあげるためには,患者の年齢(40歳以下),

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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