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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻5号

1999年05月発行

文献概要

臨床経験

手掌部に発生し掌側指神経の障害を伴った脂肪腫の1例

著者: 石川昌彦12 藤田悟1 田中裕之1 金子徳寿1 乾浩明1 加藤泰司1 小田剛紀1 冨士武史1 伏見博彰3 政田和洋4

所属機関: 1大阪府立病院整形外科 2泉大津市立病院整形外科 3大阪府立病院病理科 4大阪労災病院整形外科

ページ範囲:P.665 - P.667

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 抄録:手掌部に発生し,掌側指神経の障害を伴った脂肪腫の1例を報告する.症例は66歳の男性.1993(平成5)年1月より右手掌部の腫瘤に気付くが放置していた.1997(平成9)年になって,腫瘤の増大とともに右示中環指のしびれ,自発痛を自覚し当科を初診した.右手掌は中環指の手掌指節皮線から母指球部にかけて膨隆し,圧痛を認めた.CT所見では,手掌腱膜と骨間筋の間に屈筋腱を取り囲む境界明瞭なlow densityの腫瘤を認めた.MRI所見では,T1,T2強調画像双方で,皮下脂肪と同様のintensityを示す腫瘤を認めた.術中所見では,示中環指の掌側指神経は腫瘍により掌側に圧排されていた.腫瘍は周囲組織との癒着はなく一塊に摘出でき,重量は50gであった.一般に脂肪腫は緩徐で非浸潤性に発育するため,無症候性腫瘤として発見,治療されることが多いが,本症例では,掌側指神経の圧排による手指のしびれ,自発痛を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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