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臨床経験
𫞬性斜頚に伴う環椎骨折の1例
著者: 中田善博1 原田征行1 植山和正1 伊藤淳二1 新戸部泰輔1 鈴木重晴2
所属機関: 1弘前大学医学部整形外科 2弘前大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.669 - P.672
文献購入ページに移動症例は60歳男性,主訴は間欠的頚部不随意運動.44歳時に誘因なく症状出現し,𫞬性斜頚の診断で,C1-C3両脊髄後根切離術(Olivecrona術)を施行し,症状は消失した.
術後13年間は無症状であったが,14年目より頚部不随意運動が再発し,副神経減圧術を施行した.初回入院時の環軸椎CT像は正常であり,再入院時のCT像にて環椎前弓右側に骨折を認めた.本症例の環椎骨折は,初回手術後の後方支持要素の破綻による上位頚椎不安定性と頚部𫞬性運動(左回旋+前屈運動)による環椎前弓への応力の集中によって生じた疲労骨折と考えられた.
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