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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻5号

1999年05月発行

文献概要

臨床経験

筋生検で確認された急性傍脊柱筋コンパートメント症候群の1例

著者: 酒井洋紀1 小野豊1 小林康正1 安原晃一1 米本司2

所属機関: 1長生病院整形外科 2千葉県がんセンター整形外科

ページ範囲:P.673 - P.676

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 抄録:コンパートメント症候群は,理論上コンパートメントを有するどの筋にも発生し得る.今回急性の腰痛で発症した傍脊柱筋コンパートメント症候群の1例を経験した.初診時右腰背部に強い疼痛,圧痛と知覚低下,検査所見ではGOT,GPT,LDH,CPKの上昇がみられミオグロビン尿もみられた.MRIでは右の傍脊柱筋にT2強調像にて高信号の輝度変化がみられた.筋生検病理組織は阻血性の変化を示した.保存的に経過を観察したところ,2週間で血液データも正常となり疼痛も軽快し,発症後8カ月後のMRIでは異常所見はみられなかった.急性の傍脊柱筋コンパートメント症候群の報告例は少なく,われわれの渉猟し得た範囲では2例のみであり,いずれも保存的加療にて治癒している.急性の腰痛を来した症例を観察する際,本症例の存在も念頭に置き診断を進めることが肝要であり,治療としては保存的加療にて十分であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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