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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻6号

1999年06月発行

シンポジウム 整形外科と運動療法

変形性膝関節症と運動療法

著者: 井原秀俊1 石橋敏郎2 木藤伸宏1 三輪恵3 川嶌眞人1

所属機関: 1川嶌整形外科病院 2九州リハビリテーション大学校 3西日本臨床医学研究所

ページ範囲:P.701 - P.706

文献概要

 要旨:変形性膝関節症に対する運動療法としての筋力増強訓練と神経運動器協調訓練の目的は,膝に作用する力学的負荷を軽減させることにある.整形外科医には常用されているが,決して常用肢位ではない膝伸展位下肢挙上訓練は,姿勢制御的側面からは異常な運動パターンを形成させる点で,問題を残した方法である.そのため,荷重下での閉鎖運動連鎖での訓練を工夫する必要があろう.さらに大腿四頭筋のみならずハムストリングや近位・遠位の筋訓練にも留意すべきであろう.通院する患者が多い本疾患での運動療法は,ホームプログラムが重要となる.バスタオルたぐり寄せ,ビー玉移動,ボール制御,スプリング伸張という訓練を組み合わせたホームプログラムにて,6週間後には足握力と下肢制動能が改善した.これを踏まえて,簡単な運動療法例を示した.患者に訓練持続意欲を持たせるためには,医療スタッフが訓練の意義と方法の説明を頻回に行わなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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