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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻6号

1999年06月発行

文献概要

シンポジウム 整形外科と運動療法

運動療法と学問的評価

著者: 菊地臣一1

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.729 - P.732

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 要旨:整形外科で広く実施されている運動療法について,その学問的評価は余りなされていないのが現状である.今後,早急にEBM(evidence-based medicine)という概念の視点から運動療法の有効性を立証する必要がある.その際,明らかにされなければならないのは,有効性,有効であるならばどんな種類の運動を,どの位の頻度で,どの程度行えば良いのか,という疑問点である.さらに,有効だとされる運動はどこ(医療機関,スポーツクラブ,自宅など)で行えば良いのかを費用対効果の面から検討する必要もある.また,運動療法の実施の有無により長期成績に差があるのか,という疑問にも答えなければならない.最後に,運動療法の治療効果が立証された場合には,その治療効果は特異的な理由によるものなのか,あるいは非特異的効用,ないしは両者によってもたらされているのかについての検討も必要である.これらの問題が明らかにされない限り,整形外科で行う運動療法の有効性を,患者や医療費支払側に説得することはできず,整形外科における運動療法そのものの存在意義が問われることになる.われわれは早急に,多施設検定による大規模なRCT(randomized controlled trial)を開始する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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