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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻6号

1999年06月発行

文献概要

論述

未治療のKienböck病

著者: 谷口泰徳1 玉置哲也1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.753 - P.757

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 抄録:今回われわれは,未治療のまま長期間経過したKienböck病について調査検討を行ったので報告する.過去8年間にわれわれが経験した未治療のKienböck病の患者14例を対象とした.これらの症例は,Kienböck病以外の手部の疾患あるいは検診のために撮影されたX線写真により,Kienböck病が偶然に発見されていた.性別は男性3例,女性11例で女性に多く,13症例は手を過度に使用する職業歴を有していた.9例は手関節痛の出現時年齢が不明でKienböck病の発症時年齢が特定されなかった.X線像は全例とも変形性手関節症を伴ったKienböck病であったが,臨床症状は軽微で日常生活動作,職業上問題を認めなかった.Kienböck病では未治療のまま長期間経過しても自然経過が良好で,X線所見と臨床症状も一致しない症例が存在する.そのため,本症における痔痛の発現機序,治療成績の判定,治療手段の選択において十分な検討を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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