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ついである記・35
Damascus
著者: 山室隆夫12
所属機関: 1京都大学 2国際整形災害外科学会
ページ範囲:P.788 - P.789
文献購入ページに移動この原稿を書き始めた1999年2月は中東諸国において様々な政治的イベントの重なった月であった.すなわち,2月7日にヨルダンのフセイン国王が死去し,2月9目には主都アンマンで盛大な国葬が取り行われた,2月10日にはシリアのアサド大統領が国民投票で大統領として5期目の信任を受け2006年までの就任が決まった.2月11日にはイランでイスラム・イラン革命の20周年記念行事が大々的に行われ,ハタミ大統領は次の10年間に革命が安定化する政策を取ることを強調した,2月15日にはクルド労働者党のオジャラン議長がナイロビで拘束されトルコへ移送された.
中東諸国におけるこのようなイベントや事件についての情報がマスメディアを通じて直ちに世界中に流され,かなり大きく取り扱われるようになったのは比較的最近のことである.フセイン国王の国葬には米国から4代の大統領(フォード,カーター,ブッシュ,クリントン)が揃って出席し,ロシアのエリツィン大統領も病をおして出席し,また,日本からも皇太子夫妻と首相が出席するなど,世界の政治指導者のトップが殆んど全員出席したという.このような事実は中東地域が今や世界の改治・経済の戦略上,極めて重要な意味を持つようになってきていることを物語っているものと思われる.
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