icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻6号

1999年06月発行

文献概要

臨床経験

腕神経叢に生じた限局性多発性神経線維腫の1例

著者: 佐野栄1 六角智之1 江畑龍樹1 斉藤忍1 村上正純1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.805 - P.808

文献購入ページに移動
 抄録:von Recklinghausen病を伴わずに腕神経叢に限局し多発した神経線維腫の1例を経験したので報告する.
 症例は21歳男性である.14歳時より左上肢筋力低下を自覚した.その後徐々に進行していたが放置し,1995(平成7)年,精査目的のため当科紹介入院となった.入院時,左上肢の著明な筋力低下,筋萎縮を認めた.カフェオーレ斑は認めなかった.MRI単純TI強調像において,左腕神経叢部にび漫性の低信号領域を認め,Gd-DTPAにより同部位は中等度造影された.筋電図検査では,左腋窩神経,橈骨神経支配筋に中等度の神経原性変化を,正中神経および尺骨神経支配筋に高度の神経原性変化を認めた.以上より,腕神経叢内における腫瘍性病変を疑い,診断の確定を目的として腕神経叢展開術を施行した.腕神経叢は3カ所でそれぞれ紡錘状に硬く腫脹しており,一部より生検を行った.病理診断は神経線維腫であった.術後2年の現在,特に症状の進行を認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら