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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻6号

1999年06月発行

文献概要

臨床経験

外傷による腸腰筋骨化症の1例(Myotonic Dystrophyの1例)

著者: 荒尾和彦1 沖高司1 伊藤弘紀1 野上宏1

所属機関: 1愛知県心身障害者コロニー中央病院整形外科

ページ範囲:P.809 - P.811

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 抄録:Myotonic Distrophy(MD)症例の腸腰筋に発症した異所性骨化の1例を経験した,症例は17歳男性で,遺伝子解析によりMDと診断した.また,同胞の2例もMDであった.現症,軽微な外傷により跛行をきたし,受傷日に初診したが,重度の精神遅滞のため診断に難渋し,股関節の骨化の発見まで5ヵ月を要した.骨シンチグラフィーでの著しい集積と,股関節のROM制限があったが,血液生化学検査の異常はなかった.治療は,受傷後1年3ヵ月に小転子から骨盤内まで骨化した腸腰筋を切除した.切除時に,ROMの制限は消失した.術後の再発予防のために,Etidronate Disodium(17mg/day・kg×28day)の投与・理学療法を施行した.術後1年で軽度の局所の骨化の再発を認めるが,日常生活に制限なく,良好な結果を得た.われわれが渉猟した範囲では外傷による腸腰筋の骨化症の報告が無く,MDでは異所性骨化が起きやすい状態にあると推察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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