icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻6号

1999年06月発行

文献概要

臨床経験

スクリュー抜去困難でその後の対処に難渋した大腿骨頭辷り症の1例

著者: 若林育子1 渡部亘1 佐藤光三1 井樋栄二1 山田晋1 木戸忠人1

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科

ページ範囲:P.813 - P.817

文献購入ページに移動
 抄録:大腿骨頭辷り症に対するin situ pinningのスクリュー抜去が不能となり,抜去用のトレフィンを用い,その後の骨欠損に対して骨移植を行った1例を経験した.骨移植時に採取した骨孔表面の骨は,骨壊死の所見を呈しており,トレフィンの熱によるものと思われた.骨移植術後,骨孔周囲の骨吸収に続き,骨形成が進んでいる.本症におけるスクリュー抜去困難の原因として,以下のことが考えられた.①骨端線閉鎖までスクリューの長期留置を要した.②スクリューがチタン製で骨との親和性が高かった.③抜釘用の逆タップが付いていなかった.④スクリューの刺入部位がアダムス弓の皮質骨に接していた.本例のような合併症を避けるためには,in situ pinningにおいては逆ネジ切りの付いた非チタン製のスクリュー1本を骨頭の中央に刺入する方法が望ましいと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら