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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻7号

1999年07月発行

文献概要

手術手技シリーズ 最近の進歩 手の外科

Ulnocarpal Abutment Syndromeに対する手術

著者: 岡本雅雄1 阿部宗昭1

所属機関: 1大阪医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.857 - P.863

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 抄録:Ulnocarpal abutment syndrome(UCAS)は,尺骨長が橈骨長に比し相対的に長いために,尺骨頭が手根骨(月状骨)と衝突し手関節尺側の疼痛を生じる病態をいう.診断は,慢性の手関節尺側部痛,ulnocarpal stress testなどの身体所見や特徴的な画像所見から可能である.Ulnar plus varianceが少なく,月状骨の硬化像などの画像所見がない場合は,関節鏡により月状骨軟骨,TFCCや月状三角靱帯を観察し診断する.治療は,まず装具療法や薬物療法を行うが,ulnar plus varianceが強い症例は保存的治療に抵抗することが多い.保存的療法が無効な場合に手術を行う.手術方法は,鏡視下TFCC部分切除術,尺骨短縮骨切り術,Wafer法などがあるが,筆者らは手術成績が安定している尺骨短縮骨切り術を行っている.本手術は,尺骨頭と手根骨間の除圧と尺側支持機構の安定化を目的とした術式であり,術後,比較的早期に除痛が得られる.本稿では,UCASに対する手術手技(尺骨短縮骨切り術)を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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