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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻7号

1999年07月発行

文献概要

整形外科/知ってるつもり

Axonostenosis, axonocachexia

著者: 池田和夫1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.876 - P.878

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【末梢神経損傷の分類】
 末梢神経損傷の分類としては,Seddonの分類が最も一般的である5).重症度の軽い順にneurapraxia,axonotmesis,neurotmesisと分類されている.neurapraxiaは一過性の損傷であり,伝導障害は速やかに回復する(図1-a).これは,正座して“足がしびれた”時の腓骨神経麻痺の状態である.axonotmesisは,軸索が断裂しているため,損傷部より末梢はWaller変性に陥る.しかし,神経上膜の連続性は保たれているので,外科的処置を施さなくてもやがて神経は再生し,伝導障害も回復する(図1-d).これは,神経が強い急性圧迫をうけたり,骨折で大きく転位した骨片にひどく突き上げられたりした場合に生じうる.したがって,neurapraxiaとaxonotmesisについては外科的手術の対象にはならない.neurotmesisは,神経上膜の連続性までも完全に絶たれ,外科的神経修復が必要となる(図1-e).これは,カッターや包丁などでの切創が神経に達した場合に生じる.現在の電気生理学的検査では,axonotmesisとneurotmesisとの鑑別は不可能で,閉鎖性損傷の場合に手術治療が必要か否かは迷うところである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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