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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻7号

1999年07月発行

文献概要

臨床経験

大理石病に合併した骨肉腫の1例

著者: 加藤和代1 倉都滋之1 信貴経夫1 橋本伸之1 荒木信人1 越智隆弘1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科

ページ範囲:P.925 - P.929

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 抄録:家族性成人型大理石病の患者に骨肉腫が発生した極めて稀な1例を経験したので報告する.症例は23歳男性.主訴は右肘部の疼痛と腫脹.小児期より軽微な外傷による小骨折を繰り返しており,9歳時に大理石病と診断されていた.画像上,右橈骨近位骨幹端を中心に主として骨外に腫瘍陰影を認め,アルカリフォスファターゼ(ALP)も異常な高値を示し,生検で骨肉腫と診断された.初診時より両肺野に多発する転移を認めたため,イフォマイド,アドリアマイシン,シスプラチンを中心とした多剤併用化学療法を開始した.4クールの化学療法が終了した時点で,右橈骨の原発巣に対して腫瘍切除・掻爬術を施行し,術後放射線治療を局所に追加した.さらに4クール(計8クール)の化学療法が終了した時点で,画像上原発巣には明らかな活動性病変を認めず,ALPも一旦正常化した.しかし,その後再びALPが上昇し,血痰の喀出もみられ,肺転移巣の悪化による呼吸不全のため,治療開始後11カ月で死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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