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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻7号

1999年07月発行

文献概要

臨床経験

肘頭裂離骨折を伴った上腕三頭筋腱皮下断裂の2例

著者: 中島三郎1 沼田亨1 山内達朗1 岡田二郎1

所属機関: 1水俣市立総合医療センター整形外科

ページ範囲:P.939 - P.943

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 抄録:肘頭裂離骨折を伴った上腕三頭筋腱皮下断裂の2例を報告した.症例は12歳女性と,61歳男性であり,いずれも肘を打撲して受傷した.肘関節の単純X線側面像で肘頭の近位に裂離骨片がみられ,肘関節の伸展力の低下がみられた.手術では上腕三頭筋腱および肘頭の裂離骨片を一体としてtension band wiringにて肘頭に固定し,さらに非吸収糸で縫合した.2例ともX線像では骨癒合が得られており,肘関節の筋力は正常で,疼痛や不安定性はなかった.
 本症の特徴として,肘関節後面の陥凹や肘関節の伸展力の低下,X線側面像における裂離骨片の存在などがあげられるが,特に急性期には局所の腫脹,疼痛などのためにわかりにくいこともあり,本症の存在を念頭においた注意深い診察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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