論述
超音波法(アキレス)による骨量の地域差
著者:
佐々木康夫1
佐藤晋介1
山田芳久1
筑紫聡1
近藤喜久雄2
長谷川幸治3
所属機関:
1名古屋記念病院整形外科
2中津川市民病院整形外科
3名古屋大学医学部整形外科
ページ範囲:P.973 - P.975
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抄録:超音波骨評価装置のアキレスを使用し,都市部と,農業と漁業の町のstiffnessを比較した.対象は,名古屋逓信病院外来を受診した女性患者347名と北海道山越郡八雲町の住民検診に訪れた女性649名.測定機器はLunar社製アキレス.両住民のstiffnessを10歳ごとの年齢層別と,各年齢でのstiffnessの平均値の年齢に伴う変化について比較した.その結果,stiffnessの年齢階層別の値は40歳未満,40歳代,50歳代(p<0.01),の各年齢において八雲町で高く,60歳代(p<0.05),70歳代(p<0.01),80歳以上では名古屋市が高かった.stiffnessの平均値は名古屋で40歳代と70歳以上で特に低下した.八雲町も名古屋と同様の低下傾向を示した.
年齢層別の比較で60歳代未満で八雲町の値が高いのは,女性でも比較的肉体労働に従事する機会が多い八雲町の特徴と思われた,stiffnessの平均値が名古屋,八雲町とも70歳以上で低下を示したことは,アキレスの測定値が活動性の影響も受け得ると考えられた.