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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻8号

1999年08月発行

文献概要

臨床経験

腰仙部片側椎間関節脱臼の1例

著者: 野末高史1 武者芳朗1 徳永祥一郎2 秋山敬2 岡島行一2

所属機関: 1大森赤十字病院整形外科 2東邦大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1061 - P.1064

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 抄録:稀な腰仙部片側椎間関節脱臼の1例を経験した.症例は34歳男性で,しゃがみ込んでの作業中左背部を強打して受傷.神経症状は認められず,左第1-5腰椎横突起骨折,足趾骨折の診断で前医に入院3週間後起立歩行を開始したところ,腰痛・右下肢しびれ感が出現したため当科へ転入院した.入院時,右のS1神経根障害を認めたが,膀胱直腸障害はなかった.単純X線像では脱臼を思わせる所見に乏しかったが,MR像,脊髄造影像でL5/S1高位の椎間板ヘルニア,動態撮影で同部の不安定性を認め,CT,3D-CT像で,左L5/S1椎間関節片側脱臼が明瞭に描出された.片側脱臼例では初診時神経症状を認めることは少なく,単純X線上脱臼も不明瞭であり,見逃されることがある.片側性多発横突起骨折を認めた場合,本症を考慮して,CT scanおよび3D-CT等を用いて精査する必要がある.治療では,pedicle screw法と後側法固定に後方椎体間固定を併用し,良好な骨癒合が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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