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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻9号

1999年09月発行

文献概要

論述

分化型脂肪肉腫の治療経験

著者: 土谷一晃1 伊藤隆1 井形聡1 勝呂徹1 亀田典章2 蛭田啓之2 櫛田和義3 村山均3 飯田萬一4 亀田陽一4

所属機関: 1東邦大学医学部整形外科 2東邦大学佐倉病院病理 3神奈川県癌センター整形外科 4神奈川県癌センター整形外科病理

ページ範囲:P.1081 - P.1089

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 抄録:分化型脂肪肉腫15例について治療上の問題点を検討した.症例は男性10例,女性5例,年齢は平均59.8歳で,発生部位は12例が大腿であり,筋肉内・筋間発生13例,皮下発生2例であった.MRIなどの画像所見で,約半数は良性脂肪腫との鑑別が困難であったが,6例に健常脂肪組織と異なった輝度変化がみられ,7例に腫瘍内の隔壁様構造が目立った.病理組織学的にはlipoma like typeが12例,sclelosing typeが3例で,切除縁評価はmarginal以下が13例であった.平均68.9カ月の経過で,1例が脱分化型脂肪肉腫として再発したが再手術を行い,CDF11例,NED4例であった.巨大な脂肪性腫瘍の場合,画像所見で隔壁様構造や成熟脂肪組織と異なった輝度変化のみられる症例では分化型脂肪肉腫を念頭にいれ慎重な対応が必要である.高齢者や確定診断の得られない症例などではmarginal resectionも治療法の選択肢としてよいのではないかと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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