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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科34巻9号

1999年09月発行

文献概要

論述

転移性脊椎腫瘍に対する手術的治療の短期成績―部分腫瘍摘出術と可及的全摘出術の比較検討

著者: 岩﨑博1 玉置哲也1 川上守1 吉田宗人1 安藤宗治1 山田宏1 大浦晴夫1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1091 - P.1095

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 抄録:転移性脊椎腫瘍に対する部分腫瘍摘出術(以下,P法)と可及的全摘出術(以下,T法)の短期成績を比較検討した.1989年以降,当科でspinal instrumentationを併用した手術的治療を行った転移性脊椎腫瘍患者52例中,調査し得た30症例(P法22例,T法8例)を対象とし,両群間で年齢,原発巣,脊椎転移部位,富田分類,予後について比較検討し,手術成績を疼痛,Brice分類,ADLのgradeを点数化して評価した.手術時平均年齢,原発巣,脊椎転移部位も両群間に差はなかった.富田分類では,stageの低い症例でT法がなされていた.疼痛は術前2.1点が術後3カ月で0.8点,Brice分類は1.6から1.3点に,ADLは1.9から1.5点に改善が得られたが,両群間に差はなかった.また,生命予後にも差は認められなかった.転移性脊椎腫瘍に対してはintralesional resectionであれば,部分腫瘍摘出術による神経除圧とspinal instrumentationの術式でも,可及的全摘出術と短期的には同等の改善および予後が得られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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