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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻1号

2000年01月発行

文献概要

論述

脊柱管拡大術を施行した頚椎症性脊髄症における術前椎間不安定性の臨床的意義

著者: 川上守1 玉置哲也1 吉田宗人1 安藤宗治1 山田宏1 松本卓二1 阪中淳也1 延与良夫1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.13 - P.19

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 抄録:後方支持組織温存脊柱管拡大術を施行した頚椎症性脊髄症67例を用いて,立位X線動態像で椎間不安定性があり,臥位でその不安定性に変化のない症例を“不変”群(n=21),臥位で椎間不安定性が新たに出現するか,増大する症例を“増強”群(n=22),椎間不安定性のみられない症例を“なし”群(n=24)と分類し,軸性疼痛,神経症状,画像所見を比較検討した.“不変”群,“増強”群はより高齢で罹病期間が短かった.前方への不安定性を有した症例は前弯が乏しく,神経症状が重篤であった.調査時,椎間不安定性を有する症例はなく,3群間には軸性疼痛の有無や脊髄症状の改善に有意な差異はなかった.また,調査時頚椎可動域やMRIの髄内輝度変化にも差はなく,頚椎可動域は調査時43.5%に制限されていた.頚椎症性脊髄症に脊柱管拡大術を選択する場合,術前椎間不安定性は臨床成績に影響なく,無視し得る術前因子である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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