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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻1号

2000年01月発行

文献概要

臨床経験

結核性脊椎後弯変形の上位隣接椎間障害により発症した脊髄不全麻痺の1例

著者: 川崎展1 熊野潔1 夏山元伸1 内田毅1 長谷川敬和1 川西誠1 竹田智則1 横尾冠三1

所属機関: 1関東労災病院整形外科

ページ範囲:P.89 - P.92

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 抄録:結核性亀背変形に伴う上位隣接椎間障害による脊髄不全麻痺を経験したので報告する.症例は54歳男性.胸腰椎にかけて高度亀背を呈する.両下肢知覚障害,両下肢痛,歩行障害を主訴に来院.9歳時に脊椎カリエスの既往有り.所見として,両下肢痙性不全麻痺を認めた.X線写真上Th11-L4の癒合を認め,MRI・CT上,癒合頂椎部の上位隣接椎間に高度の骨棘形成,脊柱管の狭窄を認めた.上位隣接椎間を痙性不全麻痺の原因と考え,前方除圧固定術を施行し,症状の改善を認めた.
 通常,癒合頂椎部の骨性圧迫が麻痺の原因の一つとされているが,本症例では上位隣接椎間障害が原因であると考えられる点で珍しい.上位隣接椎間に不安定性が存在したために骨棘が形成されたと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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