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臨床経験
腰椎MRIが診断の契機となった続発性ヘモクロマトーシスの1例
著者: 荒木勉1 東福要平1 横川明男2 富田喜久雄2 高橋志郎3 鈴木潮人4
所属機関: 1済生会金沢病院内科 2済生会金沢病院整形外科 3済生会金沢病院放射線科 4済生会金沢病院病理検査部
ページ範囲:P.97 - P.100
文献購入ページに移動症例は83歳女性で,腰痛の精査加療目的に入院した.腰椎単純X線写真では骨粗鬆症と変形性腰椎症の所見を認め,腰痛の原因と考えられた.腰椎MRIを施行したところ,T2強調像において全椎体にびまん性の強い低信号を認めた.腰椎生検の結果,骨髄にはヘモジデリンを貧食したマクロファージを多数認め,鉄染色陽性であった.さらに,鉄剤の長期服用歴,血清鉄およびフェリチンの高値,肝臓の特徴的なCT・MRI像が判明し,続発性ヘモクロマトーシスと診断することができた.一般にヘモクロマトーシスでは自覚症状が乏しく,肝臓のCTやMRI,あるいは本症例のように腰椎MRIが診断の契機となることがあり,画像診断には十分な注意が必要と考えられた.
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