臨床整形外科35巻1号

2000年01月発行

臨床経験

鎖骨疲労骨折の1例

著者： 友田良太¹ 山田総平¹ 浦和真佐夫¹ 中瀬古健¹ 畠中節夫¹ 竹原慎介¹ 辻井雅也¹ 細井哲¹

所属機関： ¹山田赤十字病院整形外科

ページ範囲：P.101 - P.103

　抄録：極めて稀な鎖骨疲労骨折の1例を経験した．これまで根治的頚部廓清術後やスポーツが原因とされる報告がみられる．症例は20歳の男性で，生来健康で配管工に従事しており，特に誘因なく右肩痛を自覚し当科を初診した．他覚的，X線学的にも特に異常を認めなかったが，疼痛は軽快しなかった．初診より約1カ月後の単純X線写真により骨折線が認められた．上肢を反復使用する職業上の作業が鎖骨への介達力となり，その軽微な介達力が繰り返されることにより，鎖骨中央部で疲労骨折を生じたものと考えられた．