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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻1号

2000年01月発行

文献概要

臨床経験

指末節骨に転移した肺癌の1例

著者: 小林恵三1 裏辻雅章1 柴沼均1

所属機関: 1三菱神戸病院整形外科

ページ範囲:P.105 - P.107

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 抄録:悪性腫瘍の手指骨への転移は極めて稀である.肺扁平上皮癌が右環指末節骨に転移した1例を経験したので報告する.症例は73歳,男性.右環指の腫脹と疼痛があり,当科受診.X線像上,悪性腫瘍の指骨転移が疑われた.既往歴に大腸癌があり,また両下肺野に腫瘤影を認めたため内科入院精査となり,肺癌の骨転移が疑われた.疼痛の軽減と原発部位の確定を目的に基節骨レベルで切断した.病理検査にて扁平上皮癌と診断され,肺癌よりの転移と診断した.悪性腫瘍の指骨転移は臨床的に,発赤,腫脹,疼痛等の炎症所見を伴うことが多く,発症時には,骨髄炎,関節リウマチ,痛風等として治療を受けることもあると報告されている.炎症性疾患として治療を受けることで診断が遅れたとの報告もあるが,骨X線所見に注意し,悪性腫瘍の指骨転移の可能性も考慮にいれれば,診断はそれほど難しくないと考える.予後は悪いため治療は多くの場合切断術の適応となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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