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視座
骨と材料の界面
著者: 岡正典1
所属機関: 1京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野
ページ範囲:P.1069 - P.1070
文献購入ページに移動材料一般についていえば,体内に人工材料をインプラントすると最初に多核白血球を主役とする急性炎症反応が起こり,リンパ球,マクロファージによる異物反応に続いて,線維芽細胞により材料を取り囲む線維化が慢性反応として起こってくる,生体適合性の悪い材料では,いつまでも材料周囲の異物炎症反応が消退せず,線維組織による被包化が起こらないが,この被包化が完成した際にその材料は,生体不活性(バイオイナート)な材料として一応生体に受け入れられたと解釈される.全ての人工材料は生体にインプラントされた際に,皮下,骨髄内など,部位を問わず線維組織によって被包されるのが通常であったが,この常識を打破したのがバイオアクティブセラミックであった.ハイドロオキシアパタイトやAWガラスセラミックが骨内にインプラントされると,骨との間に線維組織の介在なしに直接結合することが可能で,この結合のメカニズムについても研究が進み,セラミック表面に形成されるアパタイト層を介して骨と材料が直接結合することがわかった.人工材料で線維組織に被包されることなく,直接に生体と接合するバイオアクティブセラミックは,まさに画期的な人工材料といえる.
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