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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻10号

2000年09月発行

文献概要

論述

頭蓋頚椎移行部疾患に対する手術―術中・術後早期における合併症とその対策

著者: 矢吹省司1 菊地臣一1 五十嵐環1

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1073 - P.1079

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 抄録:頭蓋頚椎移行部手術例をretrospectiveに調査し,頭蓋頚椎移行部における術中と術後早期(術後1週以内)の合併症発生の頻度やその特徴,およびそれらに対する予防法や対策について検討することを目的とした.対象は,40例(男性21例,女性19例,最多年代層60歳台)である.術中の合併症は,3例(8%)に発生していた.その内訳は,硬膜損傷に伴う脳脊髄液の流出が2例,損傷した鋭匙の小脳内迷入が1例であった.術後早期の合併症は,4例(10%)に認められた.その内訳は,固定性不良によるインストルメントのゆるみ・脱転が2例,落ち込んだ移植骨での脊髄圧迫による呼吸性四肢麻痺が1例,そして脳室内出血1例であった.合併症発生7例中6例で予後は良好であった.合併症の発生予防や早期に対処するためには,より注意深い手術操作,周術期の監視そして管理が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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