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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻10号

2000年09月発行

文献概要

論述

転移性脊椎腫瘍に対する脊椎全摘術の経験

著者: 阿部栄二1 村井肇1 小林孝1 千葉光穂2 奥山幸一郎2 斎藤一3 荻野正明4

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科 2秋田労災病院整形外科 3藤原記念病院整形外科 4湖東病院整形外科

ページ範囲:P.1097 - P.1102

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 抄録:単発性の転移性脊椎腫瘍の8例に罹患椎の椎弓根を2分割しそれぞれを一塊として摘出する脊椎全摘術(TES)を行った.原発巣は肺が2例,腎が2例,甲状腺3例,前立腺1例である.後方進入TESはT6,T12,L2,L2,L2-3高位の腫瘍5例に行い,前・後一期的TESはL2,L3,L4の3例に行った.腰背部痛や神経麻痺は術後著しく改善し,全例独立歩行にて退院した.重篤な合併症はなかったが,後方進入TESでは5例中4例に神経根切離が必要であった.切除縁の組織検査で椎弓根切離部で腫瘍内切除となったのが8例中7例あった.他の部位では広範切除1例,辺縁切除5例,腫瘍内切除2例であった.局所再発は2例あり,どちらも椎体部で骨外進展した腫瘍に後方進入TESを行った例であった.4~44カ月(平均19カ月)で死亡した4例では死亡時まで,生存4例では1~6.5年(平均4.5年)手術の効果が続いていた.肺癌転移例を除き,術前の検査で重要臓器に転移がない単発性の脊椎転移癌に対するTESは臨床的にも有用な方法と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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