専門分野/この1年の進歩
日本骨折治療学会―-この1年の進歩
著者:
石井良章12
所属機関:
1杏林大学医学部整形外科
2第26回日本骨折治療学会
ページ範囲:P.1114 - P.1117
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本学会の会員数は本年ついに2,000名を突破し,日整会員の約10%を占めるに至った.筆者が主催した第26回の本学会の参加者は800名を越え演題数も多く,2日間で4会場を使用せざるを得なかった.各会場とも満席で最後まで活溌な討議が行われ大変有意義な学会であったと自負している.この場を借りて関係各位の御協力に心から感謝する次第である.整形外科関連学会が各々の専門性を高めていく中で,本学会は若い整形外科医が,僅かな経験の中でも直面する問題の討論に参加できる全国規模の唯一の学会である.また,若い整形外科医が日常取り扱う疾患の中で骨折が圧倒的に多いことも事実である.これらのことが,本学会において会員数に対する学会参加者の比率が非常に高い理由の1つと考えられる.整形外科学の基本分野である骨折の取扱いを論じる本学会は,今後さらなる発展が期待される.
本学会を主催するにあたり,会長が何を求め,どのような学会が催されたかについて紹介する.発表および討論は従来より筆者が最も興味を持っていた「骨形成」を柱とすることを考え,シンポジウムには「骨形成に関する最近の進歩」を取り上げた.したがって,教育研修講演,特別講演もこれに関連するものを用意した.