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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻10号

2000年09月発行

文献概要

臨床経験

前腕骨骨幹部骨折後,環指浅指屈筋腱の癒着を生じた1例

著者: 玉置康之1 百名克文1 麻田義之1 坂本武志1 林良一1 栗山新一1 渡辺慶1

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター整形外科

ページ範囲:P.1147 - P.1150

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 抄録:前腕骨骨幹部骨折後,環指浅指屈筋腱の癒着を生じた非常に稀な症例を経験したので報告する.症例は17歳の男性.主訴は右環指の伸展障害である.1995年7月26日,バスケットボールで転倒し,前腕骨骨折を受傷した.近医でギプス固定を受け骨癒合を得るも,右環指の伸展障害が残存するため1999年7月に当科を受診した.右環指は手関節中間位でPIP関節伸展-110°,DIP関節伸展0°で,手関節を背屈すると屈曲を増し,掌屈では可動域制限はなかった.手術所見では,環指浅指屈筋腱が尺骨骨折部の内側面で癒着しており,これを剥離すると直後から完全伸展可能となった.前腕骨骨幹部骨折後の屈筋腱癒着は渉猟し得た9例の報告では環指深指屈筋に8例と多く,骨折部がその起始に相当するためといわれている.この症例では深指屈筋起始部の辺縁である尺骨内側面に癒着がみられたことから,浅指屈筋のみが骨折部にはさみ込まれたものと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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