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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻10号

2000年09月発行

文献概要

臨床経験

Double Crush Syndromeの1例―第5腰神経根と浅腓骨神経絞扼性障害の合併

著者: 高橋直人1 菊地臣一1 五十嵐環1 渡辺栄一2

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科 2総合南東北病院整形外科

ページ範囲:P.1151 - P.1154

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 抄録:症例は60歳女性で,主訴は右下肢の疼痛としびれである.6カ月前より誘因なく主訴が出現した.腰部脊椎症による右第5腰神経根障害と診断し,右第5腰神経根ブロックを行った.しかし,右下腿外側1/3から右母趾にかけての疼痛としびれが残存した.その最近位部には圧痛があり,右母趾にかけてのTinel徴候が認められたため,浅腓骨神経絞扼性障害の合併を疑った.3つの疼痛誘発試験が全て陽性で,患側のSCVも測定不能であったため,右第5腰神経根障害に浅腓骨神経絞扼性障害が合併していると診断した.第5腰神経根の除圧を施行したが,右下腿外側1/3から右母趾にかけての疼痛としびれが残存したため,浅腓骨神経の開放術を行った.筋膜貫通部で神経が圧迫されており筋膜切開を行った.この追加手術により症状が全て消失した.
 本症例は,1本の神経の走行に沿って2つの障害部位を有する病態で,真の意味のdouble crush syndromeと言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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