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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻10号

2000年09月発行

文献概要

臨床経験

小児におけるMonteggia骨折とGaleazzi骨折の合併例

著者: 前田啓志1 吉田和也1 土井良一1 大森治1

所属機関: 1国立明石病院整形外科

ページ範囲:P.1159 - P.1162

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 抄録:小児におけるMonteggia骨折およびGaleazzi骨折は,ともに稀な外傷であるが,その両者を同側前腕に合併した極めて稀な症例を経験したので報告する.症例は10歳男子.体育館でバスケットゴールに飛びつこうとして失敗し,右手より転落し受傷した.X線所見にてMonteggia骨折のBado分類におけるタイプ3とGaleazzi骨折の掌側型との合併と診断した.また,初診時より橈骨神経,尺骨神経および正中神経の完全麻痺を認めた.保存的治療にて整復位良好であり,受傷後8カ月の時点で肘関節および手関節の可動域はほとんど健側との差を認めず,手関節以下の麻痺も正常に回復している.Monteggia骨折とGaleazzi骨折の同一肢における合併例は,われわれが渉猟しえた限り,小児においては自験例を含め世界でもわずか2例であり,成人を含めても6例と極めて稀な外傷である.受傷機転は,瞬時に同一肢にかかった軸圧と回外力によるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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