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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻10号

2000年09月発行

文献概要

臨床経験

尺骨神経管症候群を呈した腱鞘線維腫の1例

著者: 土田敏典1 赤崎外志也1 山城輝久1 原隆1 上田善道2

所属機関: 1恵寿総合病院整形外科 2金沢医科大学第2病理学教室

ページ範囲:P.1163 - P.1166

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 抄録:今回、尺骨神経管症候群を呈した腱鞘線維腫の1例を経験したので報告する.症例は51歳,男性.右手小指球部の腫瘤および環指・小指の知覚・筋力低下を認めた.尺骨神経管症候群の津下・山河分類ではⅠ型に分類された.CTにて手掌部有鈎骨鈎部に腫瘤陰影を認めた.MRIのT1強調像では,腫瘍は低信号,T2強調像では内部に低信号領域を伴った比較的高信号であり,Gd造影像では腫瘍周辺が強く造影された.尺骨神経の知覚神経伝導速度は健側の約半分に低下していた.手術所見では,腫瘍は深指屈筋腱腱鞘から発生し,尺骨神経管中枢部で尺骨神経を圧迫しており,腫瘍を辺縁切除した.病理組織学的には,紡錘型細胞が間質の膠原線維の沈着を伴い増殖する腱鞘線維腫であった.術後1年の現在,知覚・筋力はほぼ正常にまで回復し,腫瘍の再発は認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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