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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻11号

2000年10月発行

文献概要

論述

超高齢者の大腿骨頚部骨折の機能予後・生命予後に影響を及ぼす諸因子の検討

著者: 石田洋一郎1 小川清吾1 川原慎一郎1 村田秀雄1

所属機関: 1都市見病院整形外科

ページ範囲:P.1251 - P.1257

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 抄録:当科で治療した90歳以上の超高齢者の大腿骨頚部骨折の機能予後および生命予後について検討した.対象は1994(平成6)~1998(平成10)年の5年間に当科で治療を行った46例(男性5例,女性41例)であり,合併症の悪化による術前死亡1例を除く全例に観血的治療が施行された.生命予後に有意な影響を与える因子として,術前全身状態・受傷前歩行能力・骨折タイプ・術式が挙げられ,術前全身状態が悪く,受傷前の歩行能力が低く,内側骨折例,人工骨頭例での生命予後が劣っていた.痴呆は術後の歩行再獲得との間に有意差を認め,痴呆の重い症例ほど術後の歩行再獲得率は劣り,退院後の居住先にも大きく影響した.超高齢者の大腿骨頚部骨折の治療には医療以外の社会環境的要因の関与も大きく,狭義の医学的アプローチに固執することなく,心理的・社会的アプローチをも含めた多方面からの総合的アプローチが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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