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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻11号

2000年10月発行

文献概要

論述

血友病患者における骨粗鬆症

著者: 竹谷英之1 阿部純久1 馬場久敏2 河﨑則之1

所属機関: 1国立療養所福井病院整形外科 2福井医科大学整形外科

ページ範囲:P.1259 - P.1262

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 抄録:血友病では廃用性骨粗鬆症が報告されているが,実際にBMD(Bone mineral density)を計測した報告は少ない.今回,腰椎部でのBMDを計測し検討したので報告する.15例21検体を対象にBMD,X線にて下肢関節の状態,歩行能力を評価した.血友病Aは14例,血友病Bは1例で,全例凝固因子活性1%未満の重症例であった.凝固因子阻害物質を有するインヒビター例は2例あった.止血管理が難しく活動が制限されるインヒビター例で腰椎BMDは低い値を示した.腰椎BMDと下肢関節症の程度を比較すると,杖歩行をしていても関節症が重症で活動性の低い例や,関節内出血が重度で荷重ができなかったため関節破壊を起こさなかった車椅子移動例ではBMDは小さかった.血友病性関節症の骨粗鬆症の原因として廃用性の骨萎縮が考えられたが,慢性関節リウマチや関節破壊により見られる傍関節性の骨萎縮について今後検討する必要があると考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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