文献詳細
文献概要
整形外科/知ってるつもり
Epicondylar line(Transepicondylar line)
著者: 鈴木昌彦1
所属機関: 1千葉大学医学部整形外科
ページ範囲:P.1272 - P.1274
文献購入ページに移動膝関節の屈伸時の回転軸を,インスタントセンター法(膝関節を10°程度づつ,順に屈曲して撮影した側面X線撮影から作図により回転中心を求める)により求めると大腿骨顆部付近に集合していることから,epicondylar lineが膝の回転軸を代表すると考えられている8).また,epicondylar lineは,人工膝関節置換術において大腿骨コンポーネントの回旋を決定する指標となることから詳細な検討が行われている.
Epicondylar lineには,①外側上顆突起(lateral epicondylar prominence)と内側上顆溝(medial sulcus)を結んだsurgical epicondylar line3)と,②外側上顆突起と内側上顆突起(medial epicondylar prominence)を結んだclinical epicondylar line3,11)がある.外側上顆突起は,外側側副靱帯の付着部であり,内側上顆溝は内側側副靱帯深層の付着部である.内側上顆突起は,内側上顆溝の周囲にある三日月状の骨隆起(内側側副靱帯浅層の付着部)で最も突出している部分である.図1では,内側上顆溝の後方となっているが,症例によっては前方のこともある.
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